システムエンジニアとはどんな仕事か?
IT関連で働くなら、「システムエンジニアがいいな!なんかカッコよさそうだし!」と漠然と考えている人がいるのではないでしょうか。でも、システムエンジニアとプログラマーの違いもよくわからない。そんなあなたのために、まずシステムエンジニアの仕事内容からご説明してみましょう。
プログラマーは、コンピューターを動かすシステムやソフトを作るために、プログラミング言語を使ってプログラムを組む仕事です。それに対して、システムエンジニアは、顧客の業務課題や要望を情報収集して、業務内容を分析した上で、コンピュータシステムの基本設計を行い、プログラマーに指示してプログラム制作に入り、テストを繰り返してシステムを構築する仕事です。
システム完成後も、メンテナンスなどアフターフォローの仕事が続きます。業務システムを詳しく知ること、課題を抽出できること、顧客とコミュニケーションが図れること、プログラミングの知識があることなどが条件となります。
また、システムエンジニアはプロジェクトを率いて仕事を進めることから、リーダーシップ能力なども必要となります。システムエンジニアをさらに統括する仕事としては、プロジェクトリーダーが、その上にはプロジェクトマネージャーがいます。
通常、下記の図のような組織でプロジェクトを運営します。上のランクにいくほど責任も重くなり、報酬も高くなります。システムエンジニアは、プログラマーより上位なポジションであることがわかります。
資格はなくてもシステムエンジニアになれる
結論から言うと、プログラマーと同様に、システムエンジニアになるには、資格や免許はいりません。資格がなくても、仕事をやれる実力があれば、システムエンジニアを名乗ることも、仕事をすることも可能です。
しかし、IT関連の資格が世の中で認識されてくるにつれて、官庁や大会社の仕事は、IT関連の資格がないと発注してもらえないという場合も多くなってきました。
それゆえ、システムエンジニアとして仕事をしていきたいのなら、中級以上の難易度の高い資格を取得しておくほうが有利になります。プログラマーに必要な初級と中級の資格については、「プログラマーで稼ぐための資格は何か?!」でも説明したので、そちらも合わせてご覧ください。
ここではシステムエンジニアに必要な中級から上級の資格について説明します。もちろん、システムエンジニアになりたいけれど、まだ初級の資格も取っていないという人は、初級の資格から段階を踏んで、難易度の高い資格へと進むようにして下さい。
システムエンジニアが取得しておきたい国家資格
情報処理技術者試験
情報関連処理で唯一の国家資格である「情報処理技術者試験」の13区分の試験の中から、システムエンジニアが取得しておきたい3つの試験をご説明します。
データベーススペシャリスト試験
データシステムスペシャリスト試験は、試験制度の「スキルレベル4」に相当し、高度区分試験に含まれます。データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行えるかどうかを問う試験です。
データベースはシステムの善し悪しを左右する重要な要素です。データシステムスペシャリスト試験は、そのデータベースを使いこなし、バランスのよいシステム設計をするレベルにあるかどうかを判定します。
プロジェクトマネージャー試験
プロジェクトマネージャ試験は、合格率はひとケタという、情報処理技術者試験の中でも最高難度である「レベル4」を冠する、高度区分試験のうち1つです。現役の有能なシステムエンジニアでもなかなか合格しないと言われています。
情報システム又は組込みシステムのシステム開発プロジェクトの目標を達成するために、責任者として当該プロジェクトを計画、実行、管理する業務に従事し、その役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する能力の有無を問う試験です。
システムエンジニアが取得しておきたい民間資格
IT関連の民間資格は、ベンダー資格と呼ばれ、難易度の高い専門的な資格も多く、国家試験以上に権威を認められている資格もあります。ここでは、中級以上の民間資格をご紹介します。
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERとは、「日本オラクル社」が公式に運営する「Oracle Database」シリーズを扱う技術力を認定する資格です。試験ではデータベースの管理/運用のほか、SQLの習熟度を問う問題が出題されます。
「Oracle認定Javaプログラマ」と同様に、難易度の易しい順に、ブロンズ、シルバー、ゴールドの3種類となっています。ブロンズは国内だけの資格、シルバーとゴールドは国際資格です。
CCNA(Cisco Certified Network Associate)
CCNAは、シスコシステムズ社が実施する、ネットワークエンジニアの技能を認定する試験です。ご存知の通り、シスコシステムズは、世界最大手のネットワーク関連機器メーカーです。
それゆえ、同社の主力商品であるCiscoルータ、Catalystスイッチに関する技術力の証明、および基礎的なネットワーク技術 (TCP/IPなど)を持つことの証明は意義があります。CCNAは、世界共通基準の資格であり、IT業界では最も有名な資格です。
CCNP(Cisco Certified Network Professional)
CCNPは、ネットワークエンジニアの間で最も有名な資格である、CCNAの上位資格として位置づけられており、大規模ネットワークの導入、運用、保守などを行う技術を有することが証明されます。
シスコシステムズの認定資格「シスコ技術者認定」は、2020年2月24日より認定プロセスなどを改定しました。認定制度開始以来の大きな変更となります。
最大の変更点は、CCENT認定を2月24日以降取得することができなくなり、アソシエイトレベル(CCNA)とプロフェッショナルレベル(CCNP)との間に「スペシャリストレベル」が設定されることです。同時に、各レベルにあるトラック(技術領域別の認定)が再編成されるほか、全試験で前提条件がなくなります。詳しくは下記をクリックして公式サイトをご覧ください。
今回の記事では、システムエンジニアで稼ぐための資格について説明してきました。最後にもう一度整理すると、次のようになります。
ポイント
・データシステムスペシャリスト試験
・プロジェクトマネージャー試験
【民間資格】
・ORACLE MASTER
・CCNA(Cisco Certified Network Associate)
・CCNP(Cisco Certified Network Professional)
システムエンジニアで稼ぐためには、まず国家資格の基本情報技術者試験と応用情報技術者試験に合格した上で、上記の資格取得に挑戦することが大切です。上記の資格試験はかなり難解なので、合格すれば、IT業界で稼ぐために相当有利なポジションを手にいれられます。